補助金クラウドの支援で省力化投資補助金に採択 AI自動検査機導入で食品製造の効率化と安全確保を実現

アイスコーンやモナカなどの焼き菓子原料の製造・販売を手がける「太洋コーン株式会社」。同社は現在、作業効率の改善と従業員の安全確保を目指し、AI自動検査によるアイスコーン検品設備の導入に取り組んでいます。しかし、設備投資は限られた資金とその他経営資源の中で慎重に行う必要があります。
そういった状況下で、同社は補助金クラウドの支援を受け、省力化投資補助金一般型に採択。作業効率化と従業員の安全確保に向けて大きな一歩を踏み出しました。
今回のインタビューでは、補助金申請に至った背景や補助金クラウドの支援内容、そして実際に支援を受けた感想について、常務取締役の立平さんに詳しく伺いました。
1時間7,000個の検品を支えるAI導入の必要性 作業効率化と安全性確保の両立へ
補助金クラウド編集部:
今回の補助金申請の目的は、アイスコーンAI自動検査機を導入するためでしたね。なぜAIを活用したアイスコーン検品設備を導入する必要があったのか教えてください。
立平さん:
当社はアイスコーンなどの焼き菓子を製造しており、品質管理には特に力を入れています。常時4名が目視で検品をしているのですが、それぞれ確認する部位や内容が異なり、合計で1日12〜15名の作業員が必要なのです。1時間あたり7,000〜8,000個もの製品を検品するので、非常に大きな労力とコストがかかっていました。
また、製造ラインは止めることが難しく、24時間稼働しています。作業員をローテーションで回すために交代要員を確保する必要もあります。さらに、工場内はどうしても高温環境になるので、作業者への負担も大きいです。そうした背景から、省力化は効率だけでなく安全面でも急務だと感じていました。
自社単独申請の難しさと補助金クラウド活用の決め手
補助金クラウド編集部:
太洋コーン様は過去に補助金の獲得経験があると伺いました。今回なぜ補助金クラウドの申請サポートをご検討いただいたのですか?
立平さん:
以前は社長を中心に別のコンサルタントに依頼して補助金を獲得したことはありましたが、自社単独での取得はありませんでした。補助金は情報量も多いですし、申請要件も非常に煩雑なので、自分たちだけで進めるのはかなり難しいと感じていました。
今回は、フツパーさんのアイスコーンAI自動検査機の導入にあたって補助金活用を考えていたところ、同社から「申請サポートは補助金クラウドが良い」というお話をいただきました。それで、ぜひサポートをお願いしようという流れになりました。
採択を支えた支援体制 補助金クラウドと進めた補助金申請のリアル
補助金クラウド編集部:
補助金申請は何人体制でどのような役割分担で遂行したのでしょうか?
立平さん:
補助金申請は私が中心になって進めましたが、補助事業であるアイスコーンAI自動検査機の導入にあたっては、私を含めて4名が関わっています。補助金申請においては、私が全体の取りまとめを行い、提出書類の多くを専務が担当しました。補助金クラウドの担当者やフツパーさんとも密に連携しながら、申請作業を進めていきました。
補助金クラウド編集部:
申請サポートにおいて、補助金クラウドの担当者とはどのようなやりとりをされましたか?
立平さん:
申請にあたっては、まず「どの部分を効率化といえるのか」「どうすれば生産性を高められるのか」といった点について、相談させていただきました。その過程で、太洋コーンのこれまでの歩みや事業の強みなど、会社の概要もお伝えさせていただきました。
また、今回の補助金は従業員の賃金の改定が条件となっていたため、どのくらいの水準まで引き上げるのが妥当かといった具体的な細かな数値の部分でも丁寧にサポートしていただきました。
さらに、一般事業主行動計画の申請方法についてもご助言をいただきました。Web申請も可能でしたが、オンラインだと処理に時間がかかるとのことで、タイトなスケジュールを考慮し、最終的には労働局へ直接申請に行くことにしました。その際はリソース面で少し大変でしたが、無事に受理されて安心しました。
”費用以上の価値がある” 補助金クラウドのきめ細やかなサポートが生んだ安心感
補助金クラウド編集部:
補助金クラウドの申請サポートを通して、実際に取り組まれた感想や印象を教えていただけますか?
立平さん:
補助金申請は会社としての経験はありましたが、私自身にとっては初めての取り組みで、すべてが手探りの状態でした。その中で、補助金クラウドの担当者がタイムリーにWeb会議を設定し、親身に寄り添ってくださったことに本当に感謝しています。直接お会いしたことはありませんが、電話やWeb会議を何度も重ねることで、むしろ対面以上に効率的かつ効果的に進められたと感じました。
実際に数多くの資料を作成するうえで、補助金クラウドのサポートがなければ申請まで辿り着くことはできなかったと思います。書類作成や必要なタスクの整理は想像以上に難しく、特に初めて取り組む人にとっては非常にハードルが高いと感じます。もしノウハウやテンプレートがあれば別かもしれませんが、日常業務と並行して進めるのは現実的に難しいため、専門家に適切な対価をお支払いして効率よく進められるのはとてもありがたいと感じました。
補助金クラウド編集部:
補助金クラウドの申請サポートを受けて特によかった点はなんでしょうか?
立平さん:
タスクの一覧シートを作成していただき、必要書類と作成担当者、締切日を整理した上で、クラウド上でスケジュール管理してくださったのは非常に助かりました。進捗状況も一目で把握でき、とてもわかりやすかったです。特に私が作成すべき資料については、「こんなふうに作っている資料がありますよ」と参考資料の例を貼って共有していただいたことが、非常にありがたかったです。
補助金クラウド編集部:
申請サポートを受けられるにあたって、弊社への支払いなど一定の費用が発生したかと思います。実際にサポートを受けられた上での費用対効果について、どのように感じていらっしゃいますか?
立平さん:
私は、補助金クラウドのおかげで、今回の省力化投資補助金に採択されたと感じていますし、その支援には費用以上の価値があったと思います。たとえ採択に至らなかったとしても、進め方やサポートの内容には本当に満足しています。
この業界は、全国に小規模ながら専門業者が点在しています。社長の方針ですが、会社としては業界全体の発展や維持にとても積極的です。だからこそ、今後も補助金を活用しながら事業を広げていきたいと考えています。補助金クラウドであれば、そのときも安心してお願いできると感じています。
補助金採択で動き出す現場 三度目の挑戦にかける覚悟
補助金クラウド編集部:
省力化投資補助金に採択されたことによって、採択前後で業務に何か変化はありましたか?
立平さん:
設備が高額だったので、補助金が採択されたときは正直ホッとしました。ただ、その反面大きなプレッシャーも感じています。補助金が採択された以上、この設備は「買って終わり」ではなく、AIに弊社製品の基準を学習させ、人間に代わって検品できることを必ず証明しなければなりません。
実は過去にカメラ導入を2度試みましたが、いずれも良品の誤廃棄という課題で断念しました。今回こそは「三度目の正直」。必ず成功させたいという想いがあります。
補助金クラウド編集部:
今回が三度目の挑戦だったのですね!改めて挑戦しようと思ったきっかけはなんですか?
立平さん:
AIの精度については、メディアで取り上げられている程度しか知識がなく、正直なところ二度の失敗もあって、私自身はAI導入に対して腰が引けていました。そんな中で、社長から「やれるまでやろう」という温かい指示を受け、三度目の挑戦を決意しました。
また、フツパーさんのカメラシステムは、これまで試みた二度のカメラシステムとは異なり、AI学習の機能がしっかり組み込まれています。「これならいけるのではないか」という確信が持てたことで、三度目の挑戦に踏み切りました。
補助金クラウド編集部:
採択が決まった際、社内ではどのような声や反応がありましたか?
立平さん:
社長はとても喜んでいましたし、プロジェクトに参加している工場長も「いよいよ始まるんだ」という喜びと、「よしやるぞ」という覚悟が入り混じっている様子でした。現在は、導入に向けて具体的な使用方法の最終確認をフツパーさんと進めています。
現場では、NG規格外品を判別するための「悪い見本例」を大量に用意する必要があります。例えば、割れた製品の例を1000パターン、穴あき製品の例を1000パターン用意するなど、学習データの準備には現場の負担が大きいと感じています。そのため、みんなで力を合わせ、しっかり取り組んでいきたいと思っています。AIにいかに精度よく学習させ、良い基準を作れるかが、今後の人員コストに大きく影響します。ですから、この部分の負担は惜しまず、最大限の労力を注ぎ込んで、今後の実装につなげていきたいです。
補助金をきっかけに“良いスパイラル”を 生産性向上と価値提供の両立を目指して
補助金クラウド編集部:
省力化投資補助金の採択を経て、今後目指していく企業像や展望があれば教えてください。
立平さん:
今回の申請要件の中には、既存従業員の賃金改定も含まれていました。現在、日本の最低賃金は上昇傾向にあり、弊社としても従業員の賃金改定は必須だと考えていますし、会社としても継続的に取り組むべき課題です。補助金に採択されることで、その補助金は必ず従業員に還元しなければならない、これは非常に良いスパイラルが生まれていると感じています。
今後もこうした補助金を活用しながら従業員に還元し、生産性を上げていく。その結果として、お客様に対してもより良い付加価値を提供し続けていきたいと感じています。
中小企業の挑戦を後押しする“身近な存在”に 補助金クラウドへの期待
補助金クラウド編集部:
現在、補助金活用を検討している方や中堅・中小企業者へ、補助金申請を経験したからこそ伝えておきたいことやアドバイスはありますか?
立平さん:
補助金を獲得できるというのは、やはり経済的な面で大きなメリットがあります。今回、補助金が採択されなかったとしても、アイスコーンAI自動検査機は導入しようと考えていました。しかし、今は補助金のおかげで迷うことなく導入に向けて動けているので、大変ありがたく感じており、コスト面で心にゆとりを持たせてもらえたと思います。今後は、補助金クラウドのような存在がもっと広く知れ渡り、中小企業が新しい一歩を踏み出しやすくなる流れが全国的に広がっていくといいなと思っています。実際、「どこに相談したらいいのかわからない」という企業さんも多いと思うんです。そうした方々にとって、補助金クラウドが“気軽に頼れる存在”になっていけば、とても心強いと思います。
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