物流の2024年問題にどう対応する?全日本食品の補助金を活用した成長戦略とは

 

全日本食品株式会社(以下「全日食」)は、全国1,600店余りの中小スーパーが加盟するボランタリーチェーンです。全国各地に細かな独自の物流網を持っていることが大きな強みです。

 

同社は、昨今話題となっている物流の2024年問題への取り組みを進める中、さまざまな設備投資を検討していましたが、大きな資金的負担がかかることが課題としてありました。

 

そのような中、経済産業省からの補助金案内をきっかけに補助金申請を決め、補助金クラウドの申請サポートをご活用いただきました。

 

今回は、自社の補助金申請を担当されたサプライチェーン戦略本部 部長の奥澤さんに、弊社の申請サポートをご活用いただいた理由や補助金の採択を通じた今後の展望など、補助金クラウド編集部がしっかりお話を伺いました。

物流の2024年問題への対応が急務 補助金申請のきっかけとは

 

補助金クラウド編集部:

今回、「物流効率化に向けた先進的な実証事業補助金」を申請された経緯を教えてください。

 

奥澤さん:

昨今、物流の2024年問題が話題となっており、物流経費が年々高騰している中で、何かしらの対策を打たなければならないと常々思っていました。さまざまな手段をベンダー等と話して投資を検討していましたが、投資には大きな資金的負担がかかることでなかなか実行に移せない状態でした。

 

そのようなとき、経済産業省から補助金のご案内をいただき、申請してみようと思ったのがきっかけです。

大変な思いをした過去 補助金クラウドの申請サポートを受けた理由

補助金クラウド編集部:

自力で申請するのではなく、弊社のサービスをご活用いただいた理由はなんでしょうか?

 

奥澤さん:

加盟店の補助金活用支援において、御社と提携していることが大きな要因です。その提携業務を担当している常務が、「申請支援を依頼するならStaywayが良い」と言っていました。常務は物流の知見もあり、補助金の理解も深いため、今回の補助金活用に関心を持っていました。振り返ってみると、補助金を申請することやサポートを受けることについて、社内の意思決定がスムーズに進んだのは常務のおかげだと思っています。

 

そもそも、経済産業省から補助金のご案内をいただいたのが3月初頭で、その補助金の申請締切が1ヶ月後といった非常にタイトなスケジュールでした。

 

私は今まで、他の部署に所属していた際に補助金を申請した経験があり、非常に大変な思いをしました。特に今回は、相当な申請金額だったうえ、タイトなスケジュールだったので、自分たちでは到底できないと思っていました。

 

御社と以前から長く提携させていただいていること、また、自分が信頼している人が高く評価しているサービスという点で、御社のサポートを活用することに決めました。

全日食の補助金申請の体制とは それぞれの知見や経験に基づいた役割分担

 

補助金クラウド編集部:

補助金申請は3人体制でおこなったと伺っていますが、どのような役割分担だったのでしょうか?

 

奥澤さん:

私の部隊は、物流の現場を含めた知見の高い2人と私という3人体制ですが、私は物流の現場を経験していない唯一の社員です。物流自体、約1年半ほどしか経験しておらず、ここに来る前は東北で支社長を務めていました。

 

現場に対する知見は私以外の2人の方が深いので、私は現場に直接携わるのではなく、現場を俯瞰的に見て、今後どのようなことをやっていかなければならないかといった施策等を考える役割を担っています。

 

補助金クラウド編集部:

現在、御社内では「見える化」を積極的に推進していますが、今後も奥澤さんが中心になって進めていくということでしょうか?

 

奥澤さん:

そうですね。もちろんシステムの導入などは現場に大きく関わることなので、2人の協力を得ながらやっていかなくてはいけないと思っています。また、「見える化」によって見えたものに対して、どのような施策を講じるかはみんなで考えながら進めていく予定です。

 

補助金クラウド編集部:

補助金を受領してから効果を出すまでの道のりは長いので、しっかりした体制を組んでいくことは重要ですよね。

短期間で補助事業の検討〜確定を進める 補助金申請で大変だったこと

補助金クラウド編集部:

申請サポートにおいて、Staywayの担当者とはどのようなやりとりをしましたか?

 

奥澤さん:

基本的には、Staywayの担当者が用意してくださった質問に答えていく、いわゆるインタビュー形式でのやりとりを何度かさせていただきました。

 

Staywayの申請サポートは、一般的なコンサルティングとは違い、その担当者の経験や採択事例に基づいてご支援いただけるため、安心して任せることができました。

 

補助金クラウド編集部:

申請サポートを受けてもなお大変だったことはありますか?

 

奥澤さん:

やりたいことが多くあった中で、それを絞り込んで具体化したり、見積もりを取得するなどの業者とのやりとりがどうしても発生しました。

 

無論、申請サポートを活用したおかげで、非常にスムーズに進んだと認識していますが、補助事業の検討〜確定を非常に短い期間で進めなければならなかったのは大変でした。

補助金活用を後押し サポートを受けてよかったこと

 

補助金クラウド編集部:

補助金クラウドの申請サポートを受けて良かった点や、補助金クラウドの率直な評価を教えてください。

 

奥澤さん:

補助金クラウドの申請サポートは、本当に感心することばかりでした。

 

先ほど述べたように、補助金クラウドの申請サポートは、補助金クラウドの担当者が用意してくださった質問に私たちが答えるだけといった非常にシンプルなやりとりでした。それが何十倍もの文面になって返ってくるので、「自分のあの言葉がこんな形で出来上がるのか」と感心しました。

 

また、短期間で準備をしなければならなかったので、レスポンスが早い点も非常に助かりました。

 

補助金クラウド編集部:

費用対効果の面はどのように感じられてますか?

 

奥澤さん:

サービスに単価をつけることって難しいですよね。そのため、補助金クラウドの費用対効果は、今後補助事業を進めていくにあたって、当社にどのくらいの成果を出すかで実感できることだと思います。

 

ただ、今回投資したシステムは、遅かれ早かれ必要となるものだったので、このタイミングで補助金を活用して導入したことは本当に最適解だと思います。

 

今回は、業務の「見える化」を推進するためにシステムを導入したのですが、実際に生産性が上がるのはセンターの一部です。そのシステムを導入するために、センター全体が多額の資金を出して設備投資をするというのは、なかなか決断し難いことでした。

 

物流部門はコストセクション(会社の中で最もコストがかかる部門)であり、現在、物価高騰が続く中、そのコストセクションがさらに膨れている状態です。それにも関わらず、回収できる見込みのない多額の投資をするのはなかなか難しいですよね。

 

そのような中、補助金クラウドには、申請サポートを通じて補助金活用を後押ししていただき、投資額を半額に抑えることができたというのは、弊社にとって非常に大きな進歩だと感じています。

管理者と現場の乖離を埋めるには 設備投資による社内の変化

補助金クラウド編集部:

今回の補助金で申請した設備投資の前後で、何か業務や社内に変化はありましたか?

 

奥澤さん:

誰しもがそうであるように、「新しいことを導入する=現状が変わってしまう」という不安を抱える人は数多くいると思います。しかし、導入するマルチピックシステム(※1)は、現場の作業効率のアップが見込まれるため、数字的効果が期待でき、現場の意識の変革も図れるのではないかと思っています。

 

一方、バース予約受付システム(※2)・車両動態管理システム(※3)は、「見える化」を推進するための管理者向けのシステムであり、それを導入したことで増えた現場での作業は、そこで働く多くの作業員にとっては追加業務という認識が強く、管理者と現場の乖離はどうしても生まれてしまうのが現状です。

 

もとより、仕事を変えていかなければ数字は大きく動かない、つまり会社として変わることはできません。こういったことを機に、会社の変革のための取り組みをどんどん推進していき、積極的に会社全体へ啓蒙していかなければならないと感じています。

 

(※1)マルチピックシステム:複数のオーダー(受注)分をまとめてピッキングしながら、同時に仕分けを行うシステム

(※2)バース予約受付システム:物流拠点における荷積み・荷降ろしを行う荷捌き場(トラックバース)の利用を予約・管理するためのシステム

(※3)車両動態管理システム:業務用の車両の現在位置をリアルタイムで把握しながら、走行距離の調査や走行ルートの作成などの管理ができるシステム

補助金申請を経験して望む会社の今後と期待

全国に補助金を広めて効果を出す 会社として取り組みたいこと

補助金クラウド編集部:

今回、補助金に採択されたことを受けて、今後会社としてどういったことに取り組んでいきたいと考えていますか?

 

奥澤さん:

今回、補助金で導入したシステムの活用により、今まで見えていなかった数字がしっかり把握できるようになるため、そこに対する新しいアクションをとらなくてはいけないと感じています。

 

先ほどお話した物流の2024年問題が話題となる中で、急激に上がる配送コストに対して、荷主側の立場としては、その上がったコストをどこで下げるのかといった対策を考えなければなりません。例えば、配送の見直しや倉庫内の生産性向上に向けて、さまざまな施策を打たなければなりませんが、今までと同じような業務を進めていったところで、会社としては何も変化は得られません。効率化を期待できるマルチピックのようなシステムの導入により、今までの仕事を変えていく必要があります。

 

現段階で補助金に関わりを持つのは全部で4地区しかありませんが、それを全国的に広めてしっかり効果を出していくことが、これからの私の責務だと感じています。

補助金を諦めて欲しくない 積極的に活用していく重要性

補助金クラウド編集部:

補助金申請のご経験を通じて、奥澤さん自身が今後期待することがあれば教えてください。

 

奥澤さん:

今回、初めて申請支援を活用したことで、こういったサポートがあれば、もっと多くの企業が積極的に補助金を使えるようになるのではないかと思いました。

 

システムや物流機材などを導入・更新するとなれば、資金的負担がかかるのは必然です。それは遅かれ早かれ、必ず通らなければいけない道ですし、消費者ニーズや需給バランスが大きく変化する現在、それがより求められる時代になっていきます。

 

「補助金の申請は大変だから諦めよう」でなく、積極的に活用すればより多くの効果が期待できます。また、自分自身、物流に携わって1年半ではありますが、物流は非常にコストが嵩むビジネスだと痛感しています。それを圧縮するのは大変なことですが、現状維持で満足してはいけないと思っています。さまざまなシステムなどを活用し、効率化・生産性の向上を通じて、会社の変革に繋げていきたいと考えています。

物流の社員が自信を持って働ける環境を 東北支社長から物流部門に転身した奥澤さんの想いとは

補助金クラウド編集部:

奥澤さんは物流に携わってまだ間もないにも関わらず、会社の変革を目指して、さまざまな取り組みをされようとしていますよね。ここに来る前は、東北の支社長をされていたと伺いましたが、物流へどのような想いがあって今の業務に携わっているのでしょうか?

 

奥澤さん:

弊社で売上や利益を作っているのは、主に商品部、SV(スーパーバイザー)(※4)・MD(マーチャンダイザー)(※5)だと思いますが、店頭の売り上げを1日1万円増やしたり、商品の原価を1〜2円下げるのは大変です。また、店頭で1万円売上が上がっても利益として会社に戻ってくるお金は少ないです。

 

一方、物流はコストが1割下がれば会社の利益がその分増える、つまり、物流にかかるコストは会社の利益に直結するわけです。

 

物流の2024年問題然り、物流に焦点が当てられている現在、物流の社員がこれまで以上に活躍できるような環境を創りたいという想いがあります。

 

(※4)SV(スーパーバイザー):複数の店舗を担当して、その店舗の売上、商品構成(仕入れ)、在庫管理、人材育成など全体的にチェック・支援する役割を持つ部隊・組織

(※5)MD(マーチャンダイザー):商品企画の役割を担う部隊・組織。仕入れ、販売、在庫管理の機能も担う。

重要なのはどのくらいの効果を出せるか 補助金活用を検討中の方へ

 

補助金クラウド編集部:

現在、補助金活用を検討している方や中堅・中小企業者へ、補助金申請を経験したからこそ伝えておきたいことやアドバイスはありますか?

 

奥澤さん:

補助金の申請は、資料の収拾や作成等、多くのリソースを割かなければならず大変だというイメージが強いですよね。短い期間で膨大なリソースを割いてまで必要なことなのか、といった不安を抱える方は少なくないと思います。

 

また、申請サポートの報酬に関しても、申請額が大きくなるほど手数料として支払わなければならない費用も増えていき、そこまで払う価値があるものなのかといった不確かな要素も考慮しなければなりません。

 

どの会社も補助金の申請だけにリソースを割くことはできないと思うので、専門家にお任せすることが最適解だと思います。専門家にお任せすることでスムーズに申請に進めますし、上記のような不安を払拭し後押ししていただけるので、不安要素なく申請することができました。

 

補助金は、申請の煩わしさや支払い手数料など、多くの不安要素がありますが、それ以上の効果が期待できるものだと思っています。重要なのは、採択された補助金で、どのくらいの効果を出すかということです。「近日中にこの補助金が出るから、どんな取り組みをするか考えよう」でなく、日頃から会社のためにどんな取り組みをすれば良いかを考えている中で、補助金が出たタイミングで申請をすることで最大の効果が得られ、非常に有意義な取り組みになるのではないかと感じています。

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